こんにちは、元ケースワーカー職員のにいやんです。
みなさんの中に、生活保護を受けたいけど家庭訪問のことが気になる、または現在生活保護を受給しているけど、ケースワーカーの家庭訪問に不満があるという人はいませんか?
当記事では、みなさんが抱える家庭訪問の不安を解消するために、家庭訪問について元ケースワーカーが詳しく説明します。
この記事の内容
生活保護の家庭訪問を行う理由
ケースワーカーが家庭訪問を行う理由はいくつかあります。
1つは、その人の生活状況を把握するためです。いちいち家に来られるのは嫌かもしれませんが、逆にチャンスだと思って、いろいろ困っていることを相談してみるといいでしょう。
もう1つは、家庭訪問を定期的に行うようにケースワーカーは指導されているからです。
ノルマみたいものがあり、「生活保護受給者が在室しているときに、何回以上訪問してきてください」と係長などから言われます。
なぜ、係長などがケースワーカーに、このように支持するかというと、都道府県からの指導や検査があるからです。その指導や検査で、定期的に家庭訪問がされていないと判断されると評価が下がってしまいます。
また、生活保護を開始するまえの初回の家庭訪問は、生活状況を把握するのと同時に、足りない家具などを把握する目的もあります。必要最低限の家具がない場合は、生活費とは別に家具什器費(かぐじゅうきひ)というものが支給されます。(上限額あり)
生活保護申請中の家庭訪問
先ほども説明しましたが、生活保護を申請すると、生活保護を開始する前に家庭訪問を行い、その人の状況を把握します。
チェックする内容は、実際にそこに住んでいるか、生活をするのに最低限必要な家具はそろっているかなどです。
また、家庭訪問の際に、あまりに高価なもの(貴金属など)があれば話は別ですが、たいていの場合は何も言われないので隠す必要はありません。ゲーム、漫画、趣味に使うもの(自転車など)、パソコンなどがあっても特に何も言いません。ペットを飼っていても大丈夫です。
もし、「生活保護を受けるならペットを処分しろ」と言われたら、それは間違っているので法テラスに相談に行きましょう。
家庭訪問の回数
ケースワーカーは家庭訪問を少なくとも1年に2回以上、入院や施設に入所している場合は、1年に1回以上するように言われています。2回のうち1回は、在室時に訪問をしなければいけません。
しかし、これはあくまで最低限の回数です。細かい指導が必要と判断されれば、頻繁に家庭訪問に来ることもあります。また、熱心なケースワーカーだと1か月に1回、家庭訪問を行う場合もあります。
私の経験上、多くても月1回、だいたいのケースワーカーは年に2回ぐらい家庭訪問をしていました。
家庭訪問の内容
受給者の状況によって指導する内容が変わりますので、指導の内容がこれといって決まっているわけではありません。
私が職員のころの話ですが、問題がない人の場合は玄関であいさつをして、最近困ったことがあるか聞いて、無ければすぐに帰ります。
ただ、ケースワーカーによっては部屋の中を見たいという人がいますので、その際は仕方がないので部屋を見せましょう。へたに隠すとなにか見られたくない物があるのではないかと疑われることになります。
家庭訪問は抜き打ち
実際にところ抜き打ちという意味はほとんどありません。
では、なぜケースワーカーはアポなしで突然家庭訪問をしてくるのでしょうか。
それは、面倒だからです。
ケースワーカーは地域にもよりますが、100世帯以上の生活保護受給者を1人で担当していることもあります。多い場合だと、120世帯とかもあります。
120世帯に電話で家庭訪問の行く約束する場合、ひとりあたり1分かかるとして120分かかってしまいます。
これでは他の仕事をする時間が無くなってしまうので、結果的に抜き打ちになってしまうのです。
ただし、前もって会う約束をする場合もあります。(私の場合です。)
例えば、受給者に「生活保護を受けていることを周り人にバレたくないから来るときは必ず電話をしてくれ」と言われた場合は、よけいなトラブルを避けるためにちゃんと連絡をしてから家庭訪問を行います。
また、何回も家庭訪問をしても会えない人には、電話で訪問の約束をして、確実に会えるようにします。
ケースワーカーにもよりますが、どうしても抜き打ちが嫌な人は、「周りの人に生活保護を受けているのがバレたくないから事前に連絡をください」と伝えると抜き打ちではなく、事前連絡があるかもしれません。
家庭訪問に来る時間帯
私の自治体の場合です。
基本的に平日の8時30分~17時ぐらいまでです。土日に来ることは基本的にありません。職員も休みですからね。
また、天候もすこしで関係してきます。
雨の日は、多くのケースワーカーは家庭訪問を行わないで事務仕事をしていました。しかし、一部ですが変わっているケースワーカーもいて、「雨だと受給者が家にいる確率が高いからあえて家庭訪問に行く」と人もいました。
家庭訪問は家の中まで入ることもある
家の中まで入って確認することもあります。生活保護申請中の初回の家庭訪問は確実に部屋のなかに入り、確認をします。
それ以降は、基本的に玄関までで済ますことが多いですが、何かを確認した場合、または、何か疑わしいことがある場合は家の中まで確認します。
例えば、部屋から異臭がする場合や男性で一人暮らしなのに女性物の靴がある場合などは、部屋のなかに入り、確認します。
家庭訪問で押し入れやタンスを見ることは普通ない
押し入れを見ることは普通ありません。ただし、なにか不正をしたりすると確認されることがあるかもしれません。
不正受給に繋がるようなことさえしなければ、大丈夫ですのでそこまで気にする必要はありません。
男性職員が女性のタンスの中を毎回確認するような場合は、単なるセクハラ行為ですので警察の連絡をしましょう。それが当たり前だと思ってはいけません。
家庭訪問は拒否できない
原則、家庭訪問を拒否することはできません。ケースワーカーといい関係をきずくためにも家庭訪問にはこころよく応じましょう。
居留守はしないほうがいい
居留守はおすすめしません。結構バレます。
そして、ケースワーカーに不信感を与えてしまいます。そうすると、今後生活保護を受けるうえで不利になることが出てくることもあります。
ですので、居留守はせずにどうしても出たくない場合は、そのことを正直にケースワーカーに伝えましょう。その方が、不信感を与えずに済みます。
家庭訪問でお茶をだす必要はない
お茶を出す必要はありません。出しても飲まないことが多いかと思います。
職員が受給者から何か物を受け取ることは、あまりよくないこととされています。
そして、だいたいカバンに飲み物が入っています。ですので、お茶を出す必要はありません。
まとめ
以上が、私の経験からお話できる生活保護の家庭訪問についてでした。
家庭訪問のついてのイメージがつかめたでしょうか。
当ブログでは、このように生活保護に関することをはじめ、人生を少しでも豊かにするための方法について執筆していますので、興味があれば他の記事もご覧ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。