生活保護費の前借りはできるのか?【財布を落として1円もない】

 

 

どうもこんにちは、元ケースワーカーのにいやんです。

 

生活保護費を前借りできるか気になりませんか?たとえば、お財布を落としてしまい、今月の生活費が1円も無くなってしまったとか。

 

私自身、25年の人生の中で2、3回財布を落としました。直近は昨年ですね。仕事のお昼休みのことでした。財布は交番に届けられていましたが、中身はもちろんありません。ああ、思いだすだけでムカムカしてくる!!!

 

話がそれてしまいましたので、本題に戻りましょう。

 

結論をいうと、お金を福祉事務所が貸してくれる場合もあります。

 

この記事を読むことで、どのような場合に福祉事務所がお金を貸してくれるか知ることができます。

 

この記事の内容

生活保護費の前借りはできるのか?

生活保護費の前借りは基本的にはできません。しかし、特殊な事情がある場合は、ケースワーカーによってはお金を貸してくれることがあります。

 

たとえば、タイトルにも書いてありますが、財布を落としたときなどですね。

 

所持金が0だと、空腹で死んでしまう可能性もありますので。

 

ちなみに、これが通用するのは初回のみです。2回目は、残念ながら「頑張ってください」と言われるだけでしょう。

 

そのほかの理由でも、所持金が無くなってしまったときはお金を貸してくれることがあります。

 

たとえば、こんな人もいます。

「数が月滞納していたスマホ代や電気代を払ってしまったので所持金がなくなってしまった。」

これもケースワーカーによりますが、お金を貸してくれることがあります。

 

しかし、常習犯になるとムリですね。「頑張ってくださいね」で終わりです。

 

念のために言っておきますが、お金を貸してくれるかは「ケースワーカーしだい」です。これらの理由でも、お金を貸してくれないケースワーカーもいます。

 

 

前借りできない理由

基本的に前借りはできません。では、なぜ前借りができないのでしょうか。

 

そもそも福祉事務所にお金がない

 

みんなにお金を支給するんだから、福祉事務所にはお金がたくさんあるんじゃないの?

 

 

いいえ、福祉事務所にお金はありません。生活保護費の支給日になると、朝に銀行まで行き、お金を取りに行きます。そして、毎回支給する金額だけを受け取るので余分なお金は一切ありません。

なので、福祉事務所にはお金がないのです。

 

貸してくれるお金は社会福祉協議会のお金

 

福祉事務所にお金がないのに、前借りさせてくれることもあるんでしょ?なんか矛盾していない?

 

貸し出すお金は福祉事務所が管理しているお金ではありません。「緊急援護金」といい、社会福祉協議会というところが、生活保護申請中の人で所持金がない人のために、貸し出すお金です。なので、前借りのためにお金を貸し出すことは基本的にはできないのです。

 

しかも、この「緊急援護金」自体がとても少ないんです。ひと係で10万円ちょっとしかなかったと思います。

なので、かんたんにこのお金を貸し出してしまうと、ほんとうに必要な人がいるときに貸し出せなくなってしまうのです。

 

ケースワーカーが前借りさせたくない

これが結構大きいですね(笑)

実はお金を貸し出す手続きがめんどくさいんです。

 

まず、受給者さんに申請書を書いてもらいます。その際、お金を借りたい理由を書いてもらいます。なので、当然ですが、「無駄遣いしたらお金が無くなった」という理由ではお金を貸してあげることができません。

 

申請書を書いてもらったら、ケースワーカーは係長の決済をもらわなければいけません。しかも、係長によってはぐちぐち言ってくる人もいますし、機嫌を悪くする人すらいます。しまいにはさんざんぐちぐち言ったあげく、決済を拒否することも。もう、めんどくさいことこのうえなし。

 

決済が通ったあとも、万が一、生活保護受給者が次の月にお金を返してくれないなんてことになれば、係長の怒りはピークに達することでしょう。

 

まあ、当然ですよね。本来は貸し出すことができないお金なので。

 

ですので、もし、前借りをさせてくれたケースワーカーがいたら、感謝の気持ちをしっかりと伝えてあげましょう。

 

前借りのかわりにしてもらえること

とはいえ、月の初めに本当に財布を落としてしまい、貯金もないような場合はなんとかしないと命に関わりますよね。(正直、1回目ならほとんどのケースワーカーがお金を貸してくれるとおもいます。金額は少ないですが。)

ですので、乾パンを支給します。1つまたは2つで1日分です。

 

しかし、乾パンの個数にも限りがあり、在庫がなくなることがあります。場合によっては、受給者さんの了解を得たうえで、賞味期限が切れて処分するはずだった災害用ビスケットを支給することもありました。

 

また、フードバンクという制度(数週間分の食べ物を現物で一気に支給してくれる)をすすめることもありました。このフードバンクという制度は、生活保護受給者は1回のみ利用できます。(自治体により違いがあるかもしれないのでケースワーカーに確認しましょう)

 

しかし、ケースワーカーの中には、生活保護利用者は生活保護費が支給されているからフードバンクを利用できないと勘違いしている職員も結構いました。

 

ちなみに本来ならば、生活保護受給者は1回のみしか利用できないはずなのですが、私が担当していた受給者さんは毎月フードバンクを利用することができていました。なぜかはわかりません。

 

もし、ケースワーカーが前借り(お金を貸してくれなかったら)をさせてくれなかったら、フードバンクの申請をしたいと伝えましょう。

 

よくある質問【Q&Aコーナー】

 

ハカセ
よくある質問に答えるぞ~

 

社会福祉協議会からのお金(前借り)は収入認定にならないのですか?

社会福祉協議会からの貸付は収入認定の対象にはなりません。ちなみに、社会福祉協議会の貸付はエアコンを買うときなどにも使用することがあります。

 

収入認定の意味があやふやな人は、生活保護の収入認定って何?基礎控除?【ていねいに説明します】をご覧ください。

 

しかし、1つ注意点があり、社会福祉協議会の貸付は申請をしてからお金が貸し出されるまで数か月かかります。ですので、7月ごろに暑いからエアコンを買いたいと思っても、お金が貸し出されるのは涼しくなったころになります。

まとめ

・前借りは基本的にできない。

・特別な事情があれば、ケースワーカーによっては前借りをさせてくれるかも。

・フードバンクの利用も検討をしよう。

 

あくまで、私が働いていた自治体のお話です。自治体によっては、制度が違うかもしれませんのでご了承ください。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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